にちにち通信NO.13 木も会話する?!森の秘密
私たちが普段なにげなく散歩で通り過ぎる公園の木々や、深い森に立つ木々。 じっと一箇所に立っていて、静かで孤独に生きているように見えますよね。でも実は……木々はお互いに「会話」をし、助け合って生きていることをご存知でしょうか?今回は、知れば知るほど木が好きになる、森の隠れたコミュニケーションの不思議についてご紹介します。
1. 地下に広がる「木のネットワーク」
木々の会話の一番舞台となっているのが、足元の土の中です。
木の根っこには「菌根菌(きんこんきん)」という、キノコやカビの仲間である菌類が共生しています。この菌類の糸(菌糸)が土の中で縦横無尽に広がり、何千本もの木の根っこ同士を繋ぎ合わせています。
研究者たちはこの地下ネットワークを、敬意と親しみを込めて「Wood Wide Web(ウッド・ワイド・ウェブ)」と呼んでいます。まさにインターネットのように、情報や物資がやり取りされているのです。
・助け合いの「ごはんのおすそ分け」
日当たりの良い場所にある大きな木(マザーツリー)は、光合成でたくさんの栄養(糖分など)を作ります。その栄養を、地下のネットワークを通じて、日陰で育つ幼い木や、病気で弱っている隣の木に「おすそ分け」として届けているのです。
・「病気が流行っているぞ!」の一斉送信
1本の木が病原菌に感染すると、「みんな気をつけて!」と地下ネットワークを通じて周りの木へ警告シグナルを送ります。信号を受け取った隣の木々は、あらかじめ病気に勝つための免疫物質を作り始めて備えます。
2. 風に乗せる「SOSの香り」
木々は、地下だけでなく「空気中」でも会話をしています。その道具が「香り(揮発性物質)」です。
例えば、害虫のイモムシに葉っぱを食べられ始めた木は、すぐに特別な香りを大気中にパッと放出します。
- 防衛モードをONにすると風に乗った香りを受け取った周りの木々は、「虫が来るぞ!」と察知。虫が嫌がる「苦い成分(タンニンなど)」を自分の葉っぱの中に急速に合成します。あらかじめ準備しておくことで、被害を最小限に抑えるのです。
- かじられた木は「害虫の天敵(ハチなど)」が大好きな香りを放つこと。「私を食べているイモムシを退治して!」と、外部に助けを求めるSOSまで出しています。
3. 電気と音で伝える「ピンチ信号」
最近の研究では、化学物質だけでなく、電気や音を使ったやり取りも分かってきました。
- 電気のパルス:葉っぱが傷つくと、人間と同じように微弱な電気信号が木の中を駆け巡り、全身に危険を伝えます。
- ノドの渇きを伝える音:日照りで水が足りなくなると、木は人間には聞こえない高周波の音(超音波)を出します。周りの植物や昆虫が、この音からピンチを察知していると考えられています。
「木は動かない、静かな生き物」と思われがちですが、実は森全体がひとつの大きな家族のように、声を掛け合い、励まし合って生きています。弊社が大切に届けている「木」も、かつては森の中で誰かと繋がり、助け合ってきた温かい生命の一部だったのかもしれません。木は、伐採後の第二の人生がはじまります。商品になってからもコミュニケーションを取っているかもしれません。次に公園や森を歩くとき、あるいはご自宅の木製品や柱に触れるときは、ぜひ彼らの「静かなお喋り」に思いを馳せてみてくださいね。
