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にちにち通信No.11 木が人にもたらすパワー

にちにち通信でも何度かお伝えしていますが、人は木と共に生活をしてきた歴史があります。近代は木に代わる材料が増えて、使用頻度は減少傾向にありますが、生活の中でゼロになることはありません。

木材業をしていると同業者の方々がとてもお元気であることにビックリしたり、励まされたり、微笑ましかったりする場面が多々あります。これは、木から影響を受けているはずだと確信しています。今回は、木が人にもたらしてくれるパワーを深堀してみました。

1. 脳と体を「勝手に」リラックスさせる効果

木に触れたり、その香りを嗅いだりするだけで、私たちの体は理屈抜きにリラックスするようにできています。これは、人類が進化の歴史の99.9%以上を自然の中で過ごしてきたため、体が「自然対応用」にプログラミングされているからです(Back-to-Nature理論)。

  • たった90秒で脳が休まる: 木材(無垢材)に手のひらや足の裏で90秒間触れるだけで、ストレス時に活発になる「前頭前野」の活動が鎮静化し、リラックス時に高まる「副交感神経」が活発になります。
  • 香りで血圧が下がる: 木の香りの成分(α-ピネンやリモネン)を嗅ぐと、副交感神経が刺激され、血圧の低下や脈拍の安定がもたらされます。
  • 見た目で集中力が上がる: 視界に入る緑や木の割合(緑視率)が**10〜15%**のとき、人の集中力は最も高まり、アイデアも出やすくなります。

2. 免疫力を高め、病気にかかりにくくする

木材の成分や森林環境は、私たちの「守る力」を直接的にパワーアップさせます。

  • ウイルスやがんを攻撃する力: 森林浴は、ウイルスやがん細胞を攻撃する**「NK(ナチュラルキラー)細胞」の活性を高めます。この効果は非常に高く、2泊3日の森林浴で高まった免疫力は約1ヶ月間も持続**します。
  • 粘膜のバリアを強化: 木を多く使った環境では、唾液中の免疫グロブリンA(s-IgA)インフルエンザによる学級閉鎖が少ないというデータもあります。

3. 子供の学習や大人の仕事の効率を上げる

木のある空間は、精神的な安定だけでなく、知的な活動にも良い影響を与えます。

  • 疲れにくく、眠くなりにくい: 木造校舎や木の机を使用する教室では、鉄筋コンクリート造の学校に比べて、児童が「疲れ」「眠気」「やる気のなさ」を訴える割合が低くなります。
  • 睡眠の質が上がる: 内装を木質化した部屋で寝ると、非木質化の部屋より**深い睡眠(徐波睡眠)**の時間が有意に長くなり、翌日の作業効率(タイピングの成績など)が向上します。

4. 湿気と温度を調節し、年中快適にする

木材には「天然のエアコン」のような物理的な機能が備わっています。

  • 理想的な湿度をキープ: 木材には湿気を吸放出する「調湿作用」があり、室内の湿度を40〜60%の理想的な範囲に保ちやすくします。これにより、ダニやカビの繁殖、乾燥による喉の痛みを防ぎます。
  • 冬の「ヒヤッ」を防ぐ: 木材は熱を伝えにくいため、冬場に素足で触れても体温が奪われにくく、足元の冷えからくる倦怠感や集中力低下を和らげます。
  • 衝撃を吸収する: 木の床は適度な弾力があるため、転倒時の怪我のリスクを減らすだけでなく、歩行時の足腰への負担も軽減します。

以上のことから、人がより心地よく過ごすには、木の存在が大きく影響していることがわかります。目には見えないかもしれない。でも確かに人と自然が共生してこそ心地良く過ごせる事実が分かりました。当たり前の存在だった時代へ今こそ戻る時期かもしれません。