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にちにち通信No.8 建築・住まいとしての木材

にちにち通信No.6日本古来の木材使われ方より、今回は古来の建築・住まいにおける木材について深掘ります。

日本の住まいは単なる建物ではなく、自然と共に生きるための器として発展してきました。

その中心にあったのが「木」です。

①   神社建築

伊勢神宮・出雲大社など釘をほどんど使わない木組み構造・丸い柱(ヒノキ等)・湿気対策のための高床式が特徴です。

木は素材ではなく依り代(神が宿る場所)、20年ごとの式年遷宮(伊勢神宮)は「建て替えることで永遠を保つ」という日本独自の時間観。

永遠とは「変えないこと」ではなく、更新し続けることという考え方がここにあります。

➁ 寝殿造・書院造

寝殿造なら京都御所、書院造は銀閣寺や二条城があります。

寝殿造(平安時代)

開放的な造り、風が通り抜ける構造、庭と一体化した空間が特徴

書院造(室町~江戸)

畳敷き・障子や襖・床の間があり現代の和室の始まりです。

木は「壁」ではなく空間を仕切るための可動装置。固定せず、状況に応じて変える柔軟性が特徴です。

③   民家

白川郷など気候に適応した木の知恵があります。

豪雪対応のための合掌造りや太い梁・雨対策のための深い軒などが特徴です。

木材の使い分けとして

ヒノキ:柱(耐久性)

スギ:梁や板(軽量)

マツ:構造材(強度)

このように木は一様に使われたのではなく、木の性質を読み取って配置されていました。

日本建築の最大の特徴は仕口(しぐち)・継手(つぎて)と呼ばれる釘などの金物を使わず木材同士を接合する木組みの技術です。

地震に強く、解体・修復が可能で木が呼吸できます。木を押さえつけるのではなく、動きを許しながら支えあう構造です。

日本古来の木造建築には以下のような共通する考えがあります。

①   自然に逆らわない・・・湿気・台風・地震を抑え込まない

②   永続より循環・・・壊れたら直す、建て替える

③   境界をあいまいにする・・・内を外の間に「縁側」という余白を作る

以上のように日本の木造建築は木を支配する技術ではなく、木と協働する文化だということがよくわかります。

住まいは完成品ではなく、季節とともに呼吸し、世代と共に更新される存在なんですね。