にちにち通信No.10 道具・生活用品としての木材
にちにち通信No.6日本古来の木材の使われ方より、
道具・生活用品としての木材について深堀していきましょう。
①台所・食に関する道具
<まな板>
代表材:ヒノキ・イチョウ・ヤナギなど
理由:
・刃当たりが柔らかい→包丁が長持ちする
・復元力がある→傷が閉じて雑菌が入りにくい
・水との相性→反り・腐りにくさ
・衛生性→抗菌・乾きやすさ
・香りや味への影響が少ない
以上の理由からトータルバランスで木が選ばれ、「包丁を守る」という思想が
材選びに出ています。
<おひつ・寿司桶>
代表材:サワラ、ヒノキ、スギなど
理由:
・水分調整能力が高い→ご飯がベタつかず、冷めても美味しい
・軽くて加工しやすい
・香りが穏やかで米の風味を邪魔しない
・温度を穏やかに保つ
それぞれの材に特徴があるので、用途に応じて使い分けます。
単なる保存容器ではなく、状態を整える道具だと言えます。
➁住まい・生活用品
<風呂桶・浴槽>
代表材:ヒノキ、サワラ、スギなど
理由:
・耐久性・耐腐朽性が高い→精油成分(ヒノキチオールなど)・菌やカビに強い
・香り成分で(フィトンチッド)でリラックス効果
・湿気環境でも長持ち→水を吸っても狂いが少ない・収縮が穏やか
機能+癒し
「水に耐える」ではなく「水と共存する」
<下駄>
代表材:キリ、一部用途でスギ、ヒノキなど
理由:
・非常に軽い→長時間歩いても疲れにくい
・水を吸いにくく、乾きやすい→雨でも重くなりにくい
・断熱性→夏の地面でも熱くなりにくい
・加工しやすい→柔らかく、削りやすい・足に合わせた形状が作れる
軽くて、水に強くて、足に優しい→キリが最強
<箪笥>
代表材:キリ
理由:
・湿度調整機能→衣類を守る
・防虫効果
・火に強い→表面が炭化しても中を守る
衣類保管=「守る家具」という発想
③農具・仕事道具
鍬・柄(え)
代表材:カシ
理由:
・非常に硬くて折れにくい
・衝撃に強い
・長時間の使用に耐える
力がかかる部分はとにかく強度重視
<桶・樽>
代表材:スギ・ヒノキ・サワラなど
理由:
・適度な通気性→完全密閉ではない・微細な勇気の出入りがある
・香りが発酵によい影響(味噌・醤油・酒)
・軽くて大きく作れる→大容量でも扱いやすい、加工しやすい直材
木が発酵を育てる器になっている
④文化・精神性の道具
<神社建築・神具>
代表材:ヒノキ
理由:
・腐りにくく長寿命
・白く美しい→清浄の象徴
・香りが神聖性を感じさせる
木材が単なる素材ではなく、「依り代」として使われる
<仏壇・仏具>
代表材:ケヤキ・コクタン・シタンなど
理由:
・美しい木目・重厚感
・長期保存に耐える硬さ
・格式を表す
見た目⁼信仰の表現
⑤日本の木材利用の本質
・硬い・柔らかい→用途で使い分ける
・水に強い→湿気文化への適応
・香り→食・癒し・信仰に活用
・呼吸する→湿度調整する素材
このように素材に合わせて使うのではなく、
使い方に最適な木を選ぶ文化だということがわかりますね。
